低周波公害ハンドブック (35)周囲を固めよ
低周波公害ハンドブック 見捨てられた被害者のためのQ&A 医師 汐見文隆 |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(35)周囲を固めよ 記録の次に低周波公害被害者がやることは何ですか? |
公害闘争は戦争です。戦いに勝つにはできるだけ味方を集めることです。これに対し、敵は相手の公害源だけではありません。行政も他の第三者も、むしろ敵側と思っておく必要があります。 その中で戦いに勝つためには、周囲を固める必要があります。夫(あるいは妻)や家族が信じていないのに、外部の人に信じてもらおうというのは到底無理です。 個人差がひどい関係で、わからない者にわからすことは無理ですが、自分が苦しいということだけは、家族にしっかりわかってもらう必要があります。「私はどうもありません。アレだけがギャアギャア言っているんですわ」では、負けです。 それよりもっと大事なのは、近所に同じような被害者がいないかを調べることです。同じ被害者が他にもう一人でもおれば、戦力は十倍にもなります。もっと3人、4人、5人となれば百人力。戦いは極めて有利になります。もちろん、もう感覚異常者、精神病者に扱われることはありません。 医学の世界では、非常に珍しい病気が発生した時、一人だけではなにも言えません。しかし同じ状況下で、珍しい病気が2人発生すれば、その状況が原因である可能性が高いとします。そしてもし3人発生すれば、その状況が原因と断定してよいとしています。 同じような被害者が、自分以外にも近所にいるということは、それほど大切なことです。複数化は客観化なのです。 |
工場被害であれば、近所に複数の被害者が存在しますが、小規模店舗機器や家庭用機器の場合は、直近のお宅だけの被害であることが多いものです。家庭用機器は全国的に普及しているので、同種の機器で起こる被害例が参考になります。その被害例を各人が消費者センターに届けることで、事故情報データバンクシステムに被害が集積されますから、あなたもまず、消費者センターに届けてください。 小規模店舗の場合は、業種が多岐に渡るので加害源の種類が多くなりますが、空調機など共通のものもありますし、消費者センターに届ければよいかと思います。業務用は家庭用よりも出力が高くなるので、当然、被害も大きくなるはずです。 |